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知らないだけで、年間数万円〜十数万円を受け取れていない可能性があります
年金だけでは生活費が足りない、物価が上がって家計が苦しい——そんな状況でも、実は「条件を満たせば受け取れるお金」が複数あります。
ただし重要なのは、これらの制度の多くが自分で申請してはじめて受け取れるもの(申請主義)だということです。一方で、所得情報などに基づいて自動的に軽減・適用される制度もあります。
つまり大切なのは、
- 「申請が必要な制度」を見逃さないこと
- 「自動適用されている制度」も正しく把握すること
この2点です。この記事では、60代・70代のシニア世代が対象になりやすい制度を、「申請が必要かどうか」も含めて整理します。まずは次のチェックで、あなたの状況を確認してみてください。
なお、各制度の詳細な条件・金額は年度・地域・個人の状況によって異なります。正確な情報は市区町村の窓口または日本年金機構にご確認ください。
私自身、60代の知人から「年金機構からのハガキをずっと開けていなかった」と聞いて、この記事を書くことにしました。知っているか知らないかで、受け取れるお金が大きく変わることを実感しています。
まず確認|3つ以上当てはまる方は要チェック
以下の項目で、自分に当てはまるものをチェックしてみましょう。
- □ 65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
- □ 住民税非課税、またはそれに近い収入水準である
- □ 年間の医療費が10万円を超えたことがある
- □ 介護サービスを利用している(または利用予定がある)
- □ 退職・離職などで収入が大きく変わった年がある
- □ 自治体からのお知らせ・ハガキをあまり開封していない
3つ以上当てはまる方は、受け取れていない給付金・軽減制度がある可能性があります。 電話1本・窓口1回で対象かどうか確認できますので、この記事を読んだあとにぜひ行動してみてください。
制度の全体像|申請が必要かどうかも確認

| # | 制度名 | 申請の要否 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 1 | 年金生活者支援給付金 | 申請必要 | 日本年金機構 |
| 2 | 高額療養費制度 | 申請必要(マイナ保険証で自動化も可) | 加入の健康保険・市区町村 |
| 3 | 高額医療・高額介護合算療養費 | 申請必要 | 加入の健康保険・市区町村 |
| 4 | 国民健康保険料の軽減 | 原則自動(申告が必要な場合あり) | 市区町村の窓口 |
| 5 | 介護保険料の軽減 | 原則自動(通知書で確認) | 市区町村の窓口 |
| 6 | 住民税非課税世帯への給付金 | 申請必要(通知が届く場合あり) | 市区町村の窓口 |
| 7 | 医療費控除 | 申告必要(確定申告) | 税務署・e-Tax |
| 8 | 自治体独自の給付金・補助 | 制度による | 市区町村の窓口 |
制度①:年金生活者支援給付金
どんな制度?
年金を受け取っている方のうち、収入が少ない方に対して年金に上乗せして支給される給付金です。2019年にスタートした比較的新しい制度で、知らずに申請していない方も多い制度のひとつです。申請しないと受け取れないため、注意が必要です。
支給額の目安
2026年度(令和8年度)は満額で月額約5,620円
(年間約67,440円)が目安です
(毎年度、物価の変動に応じて改定されます)。
ただし実際の支給額は保険料の納付済み期間・
免除期間などにより個人ごとに異なります。
「満額の場合の目安」として参考にしてください。
※出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html
対象となる3つの条件
以下の3つをすべて満たす方が対象です。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること(繰り上げ受給で65歳未満の場合・繰り下げ受給中で未受給の場合は対象外)
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
- 前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計が一定額以下であること
申請方法・注意点
対象となる可能性がある方には日本年金機構からハガキが届く場合があります。届いていない場合は年金事務所または専用ダイヤルに問い合わせを。申請期限を過ぎると受け取れなくなることがあるため、ハガキは必ず開封してください。
制度②:高額療養費制度
どんな制度?
病気やケガで医療費の自己負担が高額になった月に、所得区分に応じた上限額を超えた分が払い戻される制度です。入院・手術など医療費が急増した場合に非常に役立ちます。
→ 厚生労働省 公式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
知っておきたい3つのポイント
世帯合算ができる
同じ月に複数の家族(同一の医療保険加入者)がかかった医療費は合算できます。個別には上限に届かなくても、合算することで申請対象になることがあります。
多数回該当でさらに負担が下がる
同一世帯で1年間(直近12ヶ月)に高額療養費の支給を3回受けた場合、4回目以降は自己負担の上限額がさらに低くなります(多数回該当)。長期通院の方は特に確認してください。
マイナ保険証で自動化できる
マイナ保険証を利用すると、窓口での支払いが自動的に上限額までに抑えられる場合があります(事前申請不要)。これにより一時的な高額支払いと後日申請の手間を省けます。
注意点
保険外診療(差額ベッド代・先進医療など)は対象外。申請先は加入の健康保険組合または市区町村窓口。
制度③:高額医療・高額介護合算療養費制度
どんな制度?
医療費と介護費の両方がかかっている場合に、1年間(8月〜翌年7月)の自己負担合計が一定の上限額を超えた分を支給してもらえる制度です。医療費だけでは高額療養費の上限に届かなくても、介護費と合算することで支給対象になることがあります。
→ 厚生労働省 公式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
(②と同じページに掲載されています)
対象・申請先
同一世帯で医療保険と介護保険の両方を使っている方が対象です。上限額は年齢・所得区分によって異なります。加入している医療保険の窓口または市区町村の窓口へ。毎年8月〜翌7月を1計算期間として申請します。
制度④:国民健康保険料の軽減(原則自動・申告が必要な場合あり)
どんな制度?
国民健康保険に加入している方のうち、前年の所得が一定基準以下の場合、保険料が軽減される制度です(7割・5割・2割のいずれか)。
→ 各市区町村の国保窓口
→ 厚生労働省の制度説明
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21517.html
重要:原則は自動適用
この軽減は、所得情報に基づいて原則自動で適用されます。ただし、以下のケースでは申告や届け出が必要になることがあります。
- 所得の申告をしていない場合
- 退職などで収入が急減した年
- 世帯の状況が変わった場合
「自動だから大丈夫」と思い込まず、保険料通知書の金額が適切かどうかを確認することが大切です。
申請・確認先
お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口。
制度⑤:介護保険料の軽減(基本は自動判定)
どんな制度?
65歳以上の方が納める介護保険料は、所得に応じて段階的に設定されています。住民税非課税世帯の方は、低い保険料区分が自動的に適用されます。
また、低所得の方を対象に保険料の一部を公費で補助する軽減措置(公費による保険料軽減)もあり、こちらも基本的には所得情報に基づいて判定されます。
確認方法
介護保険料の通知書で現在の段階・金額を確認してください。不明点はお住まいの市区町村の介護保険担当窓口へ。
制度⑥:住民税非課税世帯への給付金
どんな制度?
物価高騰などの影響を受けた低所得世帯(住民税非課税世帯)に対して、国や自治体から一時的な給付金が支給されることがあります。過去には1世帯あたり数万円〜10万円程度が支給された例があります。
→ 内閣府または自治体(年度ごとに変わるため)
→ 内閣府経済対策ページ https://www.cao.go.jp/
注意点
- この給付金は恒常的な制度ではなく、国の経済対策に応じて実施されるもの
- 毎年必ずあるわけではなく、実施時期・金額・対象は年度によって変わります
- 対象世帯には市区町村からお知らせが届くことが多いですが、届かない場合も窓口で確認できます
- 申請が必要なケースが多いため、お知らせが届いたら必ず内容を確認しましょう
申請先
お住まいの市区町村の窓口。
制度⑦:医療費控除(確定申告)
どんな制度?
1年間(1月〜12月)に支払った医療費の合計が10万円(または所得の5%のいずれか低い方)を超えた場合、超えた分を所得から差し引いて税金を減らせる制度です。
→ 国税庁 公式
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
対象になる費用の例
- 病院・歯科・薬局での自己負担費用
- 市販薬の購入費(治療目的の場合)
- 通院に使った公共交通機関の交通費
重要:セルフメディケーション税制との選択制
特定の市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入費を対象とする「セルフメディケーション税制」という別の制度もあります。ただし医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方しか選べません(併用不可)。どちらが有利かは個人の状況によって異なります。
注意点
差額ベッド代・美容整形・健康診断費用(病気が見つかった場合を除く)などは対象外。領収書は1年分まとめて保管しておくことが大切です。
申請先
毎年2〜3月の確定申告期間に税務署(またはe-Tax)で申告します。
制度⑧:自治体独自の給付金・補助制度
国の制度だけでなく、お住まいの都道府県・市区町村が独自に設けている支援制度があります。内容・金額・対象はそれぞれ異なりますが、一例として以下のようなものがあります。
自治体独自制度の例
- 敬老給付金・祝い金:一定の年齢(75歳・80歳など)に達した方に支給
- 高齢者向け交通費補助:バスや電車の利用費を補助するパス・回数券の支給
- シニア向けスマートフォン購入補助:デジタル機器購入の補助金(一部自治体)
- 介護予防・生活支援サービスの補助:デイサービス・配食サービスなどの費用補助
- 緊急通報システムの設置補助:一人暮らし高齢者向けの緊急通報装置の無償貸与
確認方法
お住まいの市区町村の広報誌・公式ウェブサイト、または地域包括支援センター(各市区町村に設置)に問い合わせるのが最も確実です。
→ 厚生労働省の検索ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
よくある「申請もれ」パターン|あなたは大丈夫?
実際に窓口でよく聞かれる「知らなかった」「申請し忘れていた」のパターンをまとめました。
パターン①:年金機構からのハガキを開封していなかった
年金生活者支援給付金の請求書はハガキ型で届きます。「どうせ広告だろう」と思って開封しないでいると、申請期限を過ぎてしまうことがあります。年金機構や市区町村からの郵便は必ず開封してください。
パターン②:医療費の領収書を捨ててしまっていた
医療費控除の申請には、原則として領収書が必要です。「捨ててしまった」という方は、医療機関に再発行を依頼できる場合があります(有料・対応状況は機関による)。今年からは領収書を封筒に月ごとまとめて保管する習慣をつけましょう。
パターン③:「自分には関係ない」と思い込んでいた
「所得制限があるから自分は無理」と決めつけてしまうケースがあります。実際には、退職・離婚・配偶者の死別などで収入が変わったタイミングで新たに対象になる方も多くいます。状況が変わったときは改めて確認することが大切です。
パターン④:高額療養費を申請せずに放置していた
医療費が高額になった月があっても「手続きが面倒」「存在を知らなかった」で申請しないケースが多いです。申請期限は診療月の翌月1日から2年以内が原則のため、過去分も遡れる場合があります。心当たりがある方は加入の健康保険窓口に相談してみてください。
申請をスムーズに進める「3つのコツ」

コツ①:通知書・ハガキは必ず開封する
年金機構や市区町村から届く通知書・ハガキには、給付金の請求書が同封されていることがあります。封書・ハガキは届いたその日に開封するクセをつけましょう。
コツ②:領収書・書類を年間まとめて保管する
医療費控除のために、医療機関・薬局の領収書は1年間まとめて保管しておきましょう。封筒に月ごとに入れておくだけで、確定申告のときに慌てずに済みます。
コツ③:地域包括支援センターや市区町村窓口を活用する
「自分がどの制度を使えるかわからない」という場合は、地域包括支援センターや市区町村の高齢者福祉担当窓口に相談するのが確実です。「使える制度を教えてほしい」と伝えるだけで、専門のスタッフが状況に応じて案内してくれます。電話でも相談可能です。
給付金と合わせて、生活費の見直しも進めましょう
給付金や支援制度を活用しながら、日々の生活費も整えることで毎月の家計がより安定します。
食費は支出の中で最も大きな費目のひとつ(生活費の約26%が目安)。疲れた日や体調が優れない日に宅配食を活用するだけで、外食・コンビニ費用を抑えながら栄養バランスも整えやすくなります。
「しんどいな」「一人分作るのが面倒だな」と感じる頻度が増えてきたときが、試してみる目安です。
【おすすめ】
- nosh(ナッシュ):管理栄養士監修の冷凍宅配弁当。電子レンジで温めるだけ。糖質・塩分に配慮したメニューが充実。
- ワタミの宅食:毎日配達タイプ。やわらかいおかず中心でシニア世代に人気。
- 三ツ星ファーム:コース制の冷凍宅配食。カロリー・塩分を調整したメニューで健康管理も安心。
今日からできる「給付金チェック」3ステップ
今日〜1週間:届いている通知書・ハガキをすべて開封する
年金機構や市区町村から届いた封書・ハガキを見直しましょう。「年金生活者支援給付金請求書」「給付金のお知らせ」などが含まれていないか確認してください。5分でできます。
今週中:市区町村の窓口または地域包括支援センターに電話する
「自分が使える給付金や支援制度があるか確認したい」と伝えるだけでOKです。電話1本で対象かどうか教えてもらえます。
1ヶ月以内:確定申告の準備を始める(医療費控除)
昨年の医療費が10万円を超えている場合、確定申告で医療費控除を申請できます。領収書を集めて税務署またはe-Taxで申告しましょう。
まとめ|「知らない」だけで損をしない、申請のすすめ
申請するともらえる給付金・支援制度について、ここまで整理してきました。
- 年金生活者支援給付金:満額で月約5,450円(2025年度)が年金に上乗せ。申請必須
- 高額療養費制度:医療費が高額な月に申請可能。世帯合算・多数回該当も要チェック
- 高額医療・高額介護合算療養費:医療+介護費の年間合算で申請できる場合がある
- 国民健康保険料の軽減:原則自動適用。ただし申告が必要なケースもある
- 介護保険料の軽減:基本は自動判定。通知書で段階・金額を確認
- 住民税非課税世帯への給付金:恒常制度ではないが、実施時は申請が必要
- 医療費控除:年間医療費10万円超なら確定申告で税が戻ることも
- 自治体独自の支援:地域包括支援センターや市区町村窓口で確認を
この記事を書きながら、私自身も「申請し忘れていた制度があったかも」と気づき、地域包括支援センターに電話してみました。窓口の方がとても丁寧に教えてくれて、思ったより簡単でした。
給付金や支援制度には、自分で申請するものと自動適用されるものの両方があります。特に大切なのは「申請が必要な制度」を見逃さないこと。まずは届いている通知書を確認し、窓口に電話1本かけてみることが、受け取れるお金への一番確実な近道です。